旧NISA口座の資金はどうする?NISA口座の出口戦略!取り崩し4%ルールについて
長期の資産形成として株式投資をはじめて慣れてくると月々の積み立て額をもう少し増やしていこうとかインデックス投資で米国株や全世界からヨーロッパや新興国にも投資してみようとか、また退職時期に近づくにつれて、暴落が来たら怖いから債券やゴールドにも投資しておこうとか投資に関していろいろと考えるようになるものです。投資先にはいろいろなものがありますので、自分で勉強して可能な限り資産形成に役立ててもらえばよいのですが、案外気にしていないのが、取り崩し期に入った時の出口戦略です。積立て投資は一生懸命貯めたお金で毎月株式を購入するのは、簡単にできるのですが、いざ取り崩していくとなると自分の資産が減っていくにつれて不安がつきまとうものです。ここでは、NISA口座の活用方法と老後の資産の取り崩し方について、米国のトリニティスタディーという研究結果を交えて、解説していきます。
2023年までの旧NISA口座に関しては、
・つみたてNISAの年間40万円最大20年間
・一般NISAの年間120万円最大5年間
の2つがありました。旧NISAは2つのうちどちらかの口座しか持てませんでしたが、2024年度から始まった新NISAでは、積立投資枠と成長投資枠としてこの両方が使えるようになりました。
これによって、旧NISA口座の資金はそのまま運用していてよいのか?一般NISAなら保有期間が5年と短いため、満期後は新NISA口座への乗り換えて投資を継続することを検討している人も多いのではないでしょうか?乗り換え時期に関しては、自分が新NISA口座の投資上限枠1,800万円を埋めきれるかどうかによって変わってきます。
まず、新NISA口座1,800万円の枠を埋め切れる人は、いづれにせよ一般口座も併用していくことになりますので、旧NISA口座はそのまま活用して最大の保有年度まで運用を続けていけば良いと思います。新NISA口座の1,800万円の枠のほかに旧NISA口座の枠が使えることになりますので、より多くの資金を非課税で運用することができます。
逆に新NISA口座の1,800万円の枠を使い切れそうにない人の場合も旧NISA口座の資金については少しでも多くの投資枠を使える可能性を残しておきたいので、そのまま運用で良いと思います。但し、一般NISAを使っている人の場合は、つみたてNISA口座とは違い、保有年数が比較的短いことを考えると早めに新NISA口座へ移すことで、利益が最大化する前に移せるので、新NISA口座の投資枠を少しでも残しておける可能性が高まります。投資はじめは、1,800万円の枠を埋め切れないと思っていても長期資産形成の中では、思わぬ大金が入ってきて投資できるようになるかもしれませんので、埋め切れないと思っていてもできるだけ将来の可能性を残しておく方が良いと思います。
最後に1,800万円を使い切れるかどうか微妙な人もいると思います。その場合は、含み損であればすぐに新NISA口座へ移す。含み益の場合は、本当に1,800万円の枠を使い切れるかどうかを慎重に判断して、使い切れそうにないなら旧NISA口座はそのままに。使い切れそうなら新NISA口座へ移して運用していくのが良いと思います。考え方としては上記2つの場合と同じで、新NISA口座の投資枠を最大限活用できるように後々の投資枠をできるだけ空けて運用していくことが得策だということです。
投資運用し続けることで、35年間資産が枯渇せずに取り崩していける方法が、4%ルールというものになります。米国で研修されているデータによると保有資産の4%を毎年取り崩して生活費に充てても資産は枯渇しなかったというものです。それどころか資産は増えていたという結果も報告されております。これは定率での取り崩しがポイントで、米国のインデックス投資でのリターンが5~8%であるということを考えると容易に想像はつくと思います。
毎年7%のリターンがある投資商品を保有していれば、それより少ない4%を取り崩しても単純に言っても3%分の成長があるため、資産は増加します。もちろん毎年7%の成長が確定しているわけではありませんので、必ずしも資産が枯渇しないという保証はできませんが、米国の頭の良い学者さん達の度重なる研究結果がそのように導き出しているのです。
ポイントは、定率での取り崩しです!毎月10万円といった定額での取り崩しの場合は、株価がずっと上昇している時なら問題ないのですが、暴落している時などは4%以上の取り崩しとなってしまいますので、資産が枯渇してしまうリスクが高まりますので注意が必要です!
日本の現在の平均年金額としては、1人15万円前後、会社員夫婦で25万円前後、自営業夫婦で11万円程度となっております。人それぞれ違いますので、ご自身の年金支給額については、ねんきんネットで調べてみてください。生命保険文化センターの報告書によると60歳以降の2名での生活費は平均で約30万円となっており、夫婦2名世帯では65歳以降の生活費として毎月5万円~19万円程度は足りないという結果になります。ざっくりとした計算になるので、皆さんの状況に当てはめて、老後毎月いくら必要かは計算していただきたいのですが、よほどの資産がある人を除けば、少なからず老後資金は不足するということになります。
それでは、一例として毎月10万円(年間120万円)の老後資産を株式から得ようとすると4%ルールに則って計算してみると3,000万円あれば、老後の生活が安心して過ごせるということになります。これはあくまでも一例で、参考程度に考えていただきたいのですが・・・
少し前に老後2,000万円問題と騒がれておりましたが、今後の日本の物価によってはこれでは足りないのかもしれません。そのためにもできるだけ早く投資を行なうことで自分たちの老後資金は自分たちで確保できるように頑張ってください!