円安ドル高でも投資してよいのか?為替の影響と為替ヘッジありなしのファンドはどちらを選ぶべき?

株式投資をはじめるときにまず考えることとして、日本株に投資すべきか?世界をけん引している米国株に投資すべきか?安定の全世界株に投資すべきか?など最近では、米国だけでは危険だから広く分散する意味で新興国株などの将来性を考えて、インド株などに投資してもよいのではないかという意見も出てきております。

実際には、どの国が伸びていき、どの国が暴落していくかなんていうことはわかりません。
ドイツやイギリスといったヨーロッパの株式が強かった時代からハイテクの米国株、そしてバブル時代の日本株、中国の勢いが強かった新興国株ブームといった時代ごとにどこが伸びるかわからない状況で必ずしも米国が良いとは思いませんが、現在私たちが生活していて欠かせないものと言えば?

例えば、私たちは毎日のようにiPhoneを使い、YoutubeやNetFlixで動画を楽しみ、MataやXで情報をやりとりし、GoogleやInstagramで検索するといった具合に米国が生んだテクノロジーは我々の生活から切っても切り離せません。
また、今後どうなっていくかはわかりませんが、日本一の企業であるトヨタでさえ、新しく現れたテスラの勢いに押されている状態です。

こういったことからも米国が世界に与える影響は少なからず今後の株式の世界でも表れてくると思います。もちろん、今の米国のトップ企業であるマグニフィセント7は、20年前にはなかったことを考えると10年、20年後には世界のトップ企業は入れ替わっていくことも念頭に置いておくべきだとは思いますが、現状からすぐにインドが伸びてくるとか中国が盛り返してくるということも考えにくいですが、可能性は0ではありません。こういった考えから全世界に分散しておくという考えは持っておいた方が良いですが、正直まだ先でもよいかと思います。米国が衰退していくにしても一気に大暴落ということは考えにくく、時代が流れていくにつれて徐々にトップ企業が入れ替わっていくものだと思います。
従って、現状投資すべきは米国をメインとした戦略で問題ないと思います。私は、S&P500やオルカンがメインの投資先と考えています。

次に、米国に投資をするということは、日本円を米ドルに交換して投資することになりますが、日本の証券会社でインデックス投資を行なう際にも各証券会社が皆さんの日本円を米ドルに交換して投資してくれています。ETFや個別株などを購入する場合も円で購入することもできますが、手数料が高いことから自分でドル転(円をドルに換えること)して購入している人もいると思います。

株式投資に慣れてきた人の中には、海外の株式を購入する際に為替の影響を気にする人がいますが、結論から言うと米国との為替は気にしなくても良いです。
確かに一昔前までは、1ドル110円くらいだった時期があります。コロナの影響を受け、アメリカのFRB(米国の金融政策を策定する連邦準備制度理事会)の金融緩和政策で金利を引き上げたおかげでドルの影響力が高まり、2023年には1ドル150円を突破することもありました。2024年に入り140円台を推移しておりますが、アメリカの金融政策がいつまで続くのか?いつから利下げに入るのか?も不透明な状況です。
よく、株価と金利はシーソーの関係といわれます。金利が高い国にお金は流れる傾向にあり、今まさに米国の金利が高いためお金がどんどん米国に流れていっており、代わりに日本円が売られている状況です。従って、まだ当分は現状の円安ドル高が続いていくと予想されています。円が高くなるのを待っていると値段が下がって買い時である米国株を買うという機会を失いかねません。そういう機会損失を避けるためにも為替の影響は気にせずに買えるときに買っておく方が得策と言えます。

また、為替の影響を考えると投資商品を購入する際に同じファンドでも為替ヘッジありの商品と為替ヘッジなしの商品が並んでいることがあります。こちらについては、為替ヘッジなしがおススメです!確かにドルで投資していて、円安が進んでしまうと解約するときに日本円が下がっていることで資産が
減少することはあり得ます。また、その逆もあり得ます。現状の日本円では米ドルに敵いませんが、今後、円高ドル安に転換する可能性もあり、投資の出口付近のドル円の状況は誰にもわかりません。
しかし、為替ヘッジありを選ぶとそのヘッジコストによりパフォーマンスが落ちると言われていますので、為替ヘッジはなしで良いと思います。