【投資銘柄の選び方】投資信託で買うべき銘柄は?投資銘柄の選定基準とは?
株式投資をはじめようといざ証券口座を開設しても、何を買えばよいか?わからないと思います。
例えば、証券会社の管理画面にログインすると国内株式・外国株式・投信(投資信託)・債券・金銀プラチナなどの投資対象が並んでいると思います。それとは別に、買付・手数料・リターン・シャープレシオ・ファンドスコアなどのランキング項目が並んでいると思います。はじめは何のことかさっぱりわからないと思います。
いろいろなランキングが載っているので買付ランキングやリターンランキング、値上がりランキングなどをみて購入する人もいると思います。ランキングを見て購入することが間違いだとは言いませんが、一面だけを見て判断するのは危険です。
一番購入されているから大丈夫だろうとか一番リターンが高いから儲かるだろうなどと自分勝手な判断で選ぶのではなく、ランキングの中からどのような企業に投資する商品なのか?手数料はどのくらいかかるのか?など複合的に情報を精査して、購入する前によくチェックすることが重要です。
では、実際に何に注意して投資銘柄を選べば良いのかを詳しく説明していきます。
投資銘柄の選び方
結論から言うと、はじめての投資で購入する銘柄はズバリ!米国株式(S&P500)で良いと思います。人によっては、全世界株式(オールカントリー)をすすめる人もいますが
両銘柄ともに間違いではありません。というのもこの2銘柄は2024年時点では投資の王道といってよい銘柄です。ネットやYouTubeなどで検索しても基本的には、この2銘柄を推奨するものが多いと思います。実際に各証券会社で購入されている売買高ランキングでも上位に位置しております。
ただし、先ほども記載しましたが、売買高ランキングの上位だからと言って、全てがお勧めできる銘柄ではないことにも注意が必要です。日本で購入されている銘柄を検索すると購入順位はの中には、レバレッジ商品であったり、毎月配当型商品などもランクインしておりますが、このあたりの商品は、購入するには見極めが必要です。後述します銘柄選びの基準を見ればランキング商品の中に選んではいけない銘柄があることが分かるようになります。
投資信託で買うべき銘柄は?
さて、上記2銘柄を買う前に少し考えてほしいと思います。この2銘柄の将来の値動きは、もちろん誰にも当てられませんので、どちらに投資すれば良いかということは決められません。と言ってしまうとこれから投資を始めようとする人からすると結局どちらを選べばよいか判断できないと思います。中には、両方を買ってしまえばよいのでは?と考える人もいるかもしれません。
そこで、どういう人がどちらを選んだらよいか判断基準を簡単に説明していきます!
S&P500とオールカントリー(通称:オルカン)の2銘柄について大まかに言えば、
・S&P500は、ミドルリスク・ミドルリターン
・オルカンは、ローリスク・ローリターン
に分類されるでしょう。
過去の年間リターン(平均成長率)で比べれば、
・S&P500は、平均 5~8%
・オルカンは、平均 3~5%
これだけを見れば、S&P500の方が良いと思えますが、投資にはリスクもあります。投資でいうリスクとは、上下の振れ幅のことを言います。
1年の標準偏差(リスク)は、
・S&P500で、21前後
・オルカンで、17前後
これがどういうことかというと
S&P500は、年間で5~8%の上下21のブレがおこる可能性があるということ
リターンが悪い年では、5‐21 → (マイナス)▼16%
しかし、逆にリターンが良い年では、8+21 → (プラス)+29%
ということは、
・S&P500 → ▼16% ~ +29%
・オルカン → ▼14% ~ +22%
の値動きがあるということになります。
簡単に説明すれば、少しでもリターンを求めるなら、S&P500
リスクを負わずに安定した運用が良い人は、オルカンが良いということになります!
なぜ、このような結果になるかというともちろん運用している投資先が違うからなのですが、この2銘柄の中身(投資先)についても説明しておきます。
これから皆さんが投資商品を選ぶ際に見ておくべきポイントは
その投資信託がどのような企業に投資を行なっているのか?
そもそも投資信託というのは、どういうものなのか?
簡単に言えば「いろいろな企業の詰め合わせパックにまとめて投資する商品」のことです。
例えば、上記のS&P500でいえば、アメリカに上場している約500社に投資しています。具体的には、グーグル(G)・アップル(A)・フェイスブック(F)(現:メタ・プラットフォーム)・アマゾン(A)・マイクロソフト(M)など私たち毎日のように目にしている企業が主要銘柄になります。(以前は、上記GAFAM5社がメインでしたが、2023年頃からは更にテスラ・エヌビディアの2社を追加してマグニフィセント7と呼ばれるようになりました)これらの主要銘柄を含むアメリカの約500社の企業にまとめて投資できる投資商品がS&P500になります。
次に、オルカンといえば
全世界(オールカントリー)に投資しているのですが、こちらの中身はアメリカの企業に全体の60%を投資しており、次いで日本に6%、イギリス・フランス・カナダに約3%程度、ほかの先進国を含んで合計で88%、残り12%が新興国(中国4%含む)とリスク分散が広くきいているということになります。
しかし、オルカンの60%がアメリカ企業(S&P500の投資先と同様の企業)となっているため、迷って両銘柄を購入しようとしている人は、米国の割合を増やすだけなので、オルカンだけで良いと思います。要するに、今後の米国の伸びを信じるならS&P500に、米国以外にも分散したい人はオルカンに投資すればよいと思います。
現在では、投資の割合からS&P500のリターンの方が高くなりますが、今後アメリカよりも大きな売上を上げて世界をけん引できるようなアメリカ以外の企業が出てくることがあれば、オルカンがS&P500のリターンを超える可能性もあると思います。
銘柄を選ぶ基準
投資銘柄を選ぶ際に重要な指標として、少なくとも以下の3つはチェックすべき項目になります。
1,購入費用(販売手数料・信託報酬・信託財産留保額)
2,年間リターン(平均の年間上昇率)
3,純資産総額(ファンドの大きさ)
1,購入費用としては
・販売手数料は、現在ではノーロードといって無料のものがほとんど。
一部、証券会社や銀行窓口で販売している商品ではいまだに1%~3%程度かかるものもありますが、あまりお勧めできません。
・信託報酬は、投資信託を保有している間かかる手数料。(これがネット証券会社などの利益の一部となる)。この信託報酬ができるだけ低い銘柄を選ぶことが重要です!
優秀な銘柄ほど低く設定されております。推奨される信託報酬率としては、0.2%以下を目安にしていただければよいと思います。リターン重視のハイリスク商品では0.3%~1%を超えるのものありますが、初心者のうちは手を出さない方が賢明です。
・信託財産留保額とは、投資信託を解約(売却)する際にかかる手数料。投資しても良いと思える商品のほとんどが無料です。もし、投資信託を購入しようとする際に信託財産留保額がかかるようなら、一度再考してみても良いと思います。
株式投資においては、いかにコストを抑えられるかが、リターンに大きく影響してきます。ところが、高級ホテルを利用する際には、サービス料などを払うのが当たり前になっていることから良いものは高いものだと考える人も少なくないと思いますが、投資に関しては逆なんです!
この後、証券会社選びについてもご説明しますが、同じ商品なのに手数料が違うということが当たり前のようにありますので、特に注意が必要です。
2,年間リターン
リターンは高いほど自分の資産が増えるので、高いものを選びたいところではありますが、最初に説明したようにリターンが高くなれば、やはりリスクも高くなりますので、リターンだけで選ぶのは危険です。一般的に株式投資で得られる標準的な年間リターンは、5%~8%程度だと覚えておいてください。
投資をはじめたての人の中には、「毎月10%のリターンを保証する商品があります!」というような謳い文句につられて、ぼったくり投資商品を買ってしまうようなことがありますが、年間リターンが5%~8%ということを知っているだけで騙されることはなくなります。
もちろん、年間で30%以上のリターンを出す商品がないとは言いませんが、長期間続けて、毎年このリターンを出し続けられる商品は、恐らく今後も出てこないでしょう。このような一時的な上昇銘柄は、投資ではなく、投機といってギャンブルと同じです!無くなっても良いと思える程度の金額でサテライト枠として短期で楽しむなら良いかもしれませんが、長期投資にはおススメはできません。
例えば、今話題性の高い半導体関連企業の詰め合わせパックに3倍のレバレッジをかけるSOXLは2020年4月最安値5.11ドルから2021年12月には最高値74.07ドルと約14.5倍まで爆発的な上昇を記録しましたが、それ以降は株価はどんどん下がり2022年の10月には、6.21ドルまで下がる大暴落となりました。安値で買って、高値が売れれば大儲けになりますが、そのような相場の動きを読んでピンポイントで売買できる人はいないので、株価が上下する激しいボラテリティーに耐えられるメンタルがある人は楽しんでみても良いと思いますが、やはりお薦めはできません。特に初心者は手を出さない方が無難です。
また、ネット証券ではリターンが高い商品ほど上記の信託報酬が高くなる傾向があります。判断基準としては、信託報酬が1%を超えるものをハイリスク・ハイリターン商品として認識する一つの指標になります。必ずしもハイリスク・ハイリターン商品に投資することがダメだとは思いませんが、投資の考え方としては「長期・積立て・分散」が基本とすれば、やはりハイリスク商品が長期でハイリターンを出せる保証はありませんので、短期で勝負するなら良いかもしれませんが、長期の資産形成で手を出す商品ではないことがわかると思います。また、証券会社や銀行の窓口でお勧めされる商品も手数料の高いぼったくり商品が多いため、窓口では購入しない方が良いです。
3,純資産総額
人気の銘柄の場合は特に気にしなくても良いのですが、新しく作られた投資信託などでは、なかなか購入者が集まらないファンドがあります。
証券会社が決めている口数を満たさない場合は、繰上償還といって、その投資信託がなくなる危険があります。せっかく投資を始めたのに、投資商品が無くなってしまっては元も子もありませんので、純資産総額が少なくても50億円以上のファンドを選ぶようにしてください。
S&P500やオルカンのほかにも、良い投資銘柄はまだまだたくさんありますが、投資する人の状況によって、適正な投資先はそれぞれ異なってきます。
まずは、投資の目的や使える費用、投資期間、自分のリスク許容度といった投資する要素を明確にしてみてください。それが分かれば、いつまでに元本をいくらにしたいのか?が決まると思います。参考までに「みんかぶ」というサイトに資産運用のシミュレーションがありますので、皆さんなりの数値を色々と入れて計算してみてください。
目標金額はいくらなのか?毎月いくら投資に回せるのか?何年間投資を継続できるのか?そういったことが明確になれば、どんな銘柄に投資すればよいか?の目安になると思います。
そこからが本当の意味での投資の銘柄選択の始まりです!
実際に投資する前は、投資する銘柄を必ず自分でいろいろと調べてみてください。今は少し調べればいくらでも情報は転がっています。自分に合った投資銘柄を探してみてください。
今後は、目標別にお薦め投資銘柄も解説していきますので、気になる方は、投資銘柄のカテゴリーもチェックしてみてください。