【中上級者向け】リターン重視で攻めるなら・・・2024年はビックテックの年?

将来の資産形成を考えるなら、「長期・積立て・分散」が基本になります。そういう意味では、オルカンやS&P500をメインとして積立て投資していくのが良いのですが、株式投資に慣れてきた人なら少しリスクと取って、ハイリターンな商品への投資も考えているのではないでしょうか?もちろん、ハイリターンを求めるのであれば、その分のリスクも大きくなることは理解したうえで、ご自身のリスク許容度を確かめながら、投資を検討してみてください。

インターネットが普及して、数年前から半導体不足が話題に上がり、2023年あたりからはAIブームが始まりました。インターネット・Eコマース・スマートフォン・SNS・AIなどこの世の中の流れから考えると今後もテクノロジーの発展は不可欠なものとなってくるでしょう!そこで将来の投資先として考えても良いと思えるのが、米国のテクノロジーに特化したNASDAQ100になります。

もう既にご存じの方も多いこのインデックスは、S&P500が米国の大型銘柄約500社に投資するのに対して、米国のIT銘柄を中心とする約100に投資する投資信託です。投資先の上位銘柄は、アップル・マイクロソフト・アマゾン・テスラ・メタ(旧フェイスブック)・アルファベット(グーグル)とほぼほぼS&P500と同銘柄となりますが、その投資割合が、NASDAQ100の方が圧倒的に高く、IT企業にかかる比重が大きいのが特徴です。また、金融セクターは除外されています。米国のテクノロジーが発展すると考えるのなら、NASDAQ100への投資を考えても良いでしょう。

S&P500が年利5%~8%程度のリターンが目指せる商品であるのに対して、NASDAQ100の年平均リターンは、10%~15%程度と言われています。もちろん投資商品なので、もっと伸びるときもあれば、米国の金利が高止まりしている2024年あたりのリターンは低めになることが予想されていますので、毎年必ずしも大きなリターンが出せる保証はありません。それでも米国のテクノロジーの発展を信じるのであれば、ポートフォリオの一部にNASDAQ100を組み入れてみるのもありだと思います。

割合としては、個人のリスク許容度に応じて比率の調整が必要だとは思いますが、まずは10%~15%程度から始めてみてはいかがでしょうか?3年~5年運用してみてリスクをもっと取ってでもリターンが欲しければ、比率を上げていけばよいですし、下落に耐えられないのであれば、その後の積立ては、S&P500やオルカンのみにしてNASDAQ100は追加投資なしでそのまま運用を続けていけばよいでしょう。

いくら暴落してもNASDAQ100が0になることはほぼありませんので、保有しているNASDAQ100についてはそのままガチホしておきましょう。S&P500もオルカンもNASDAQ100にしてもたとえ暴落が来ても、我慢して保有していれば、時間と共に元の値段以上に戻ってきます。過去のデータで言えば、どんな悪い市場であってもS&P500で15年、NASDAQ100でも20年保有していると元本割れはないという結果が出ておりますので、資産の取り崩しが必要な時にNASDAQ100から取り崩せばよいと思います。暴落に負けずお金が必要なその時までガチホしてくださいね!

また、最近ではFANG+(ファングプラス)という選りすぐりの10社に均等荷重で投資する尖ったファンドも出てきております。フェイスブック(Facebook(Meta Platforms))、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Google(Alphabet))の頭文字をとってFANG。これに+して、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、テスラ(TSLA)、エヌビディア(NVDA)、アドバンスデバイス(AMD)、スノーフレイク(SNOW)の6社を足してFANG+の人気が高まっています。信託手数料は、0.77%と高いのですが、直近10年のリターンは年率で30%前後を叩き出しています。少数精鋭のファンドのため、一つがこけるとファンド全体が暴落となってしまう可能性が高くなりますが、その対策として投資銘柄のリバランスが四半期(3月・6月・9月・12月)ごとに行われており、成績が悪い企業は外され、勢いのある企業と入れ替えられていますので、新陳代謝は活発だと思います。このようなリバランスは、かつて時価総額トップが日本企業だかりだった30年前から時代と共に現在の米国に入れ替わったように銘柄の入れ替えがあることでファンドの時価総額も上げていくには必要なことです。

例えば、最近では、人気のテスラが外されるのではないかと言われております。このように高いリターンを維持するために今の勢いのあるFANGの投資銘柄も実力に従って入れ替えることで、高いリターンを維持していける可能性を高めています。

FANG+ほどのリスクの高いファンドでなくてもテクノロジーに特化した約100社に絞ったNASDAQ100でも直近10年の年率リターンは約17%だったことを考えても十分魅力的な商品だと思います。今後もある程度のリターンは出せるとは思いますが、この高いリターンは未来永劫続くわけではありません。将来のリターンを計算するときは、きれいな右肩上がりに伸びていくと予想されておりますが、たとえS&P500であっても年間10%くらいの下落はあるものですので、やはり上げ下げしながら右肩上がりになっていくと思います。ということは直近のリターンが17%や30%であったとしても来年▼20%ということもあり得るということです。従って、今後も年平均30%で毎年上昇していくということは考えにくいと思います。いい時も悪い時もあるのが、株式投資なのです。将来の資産形成には、長期で続けることが一番重要です!

FANG+は10社という少数の企業に集中投資となりますので、1社が暴落するだけでリターンが大きくマイナスに反転する危険性も高いということになります。そんな時に株式市場から退場することだけは避けるようにしてください。多少の暴落で投資をやめてしまうのなら、ハイリスク商品に投資するべきではありません。先ほども申し上げましたが、S&P500やオルカンでさえ10%~50%といった暴落はいずれ訪れます。そんな時も淡々と積立投資を継続していけるメンタルを鍛えておいてください。自信がない人は、クレジットカードを使って毎月自動で積立て買付けを設定して、放置しておくのも一つの手段だと思います。いわゆる、ほったらかし投資です!お金が必要な時にそう言えば、証券口座に投資していたお金があったな~程度が一番良いのかもしれません。

また、FANG+のようなハイリターン商品に投資してみたいが、10社だけでは不安だという人にはETFになりますが、「グローバルX US テック・トップ20 ETF」(2244)というファンドがあります。NASDAQ市場に上場している米国のテクノロジー関連企業20社に投資できます。この20社はFANG+に採用されている10社をカバーしている上に+10社の企業に投資しています。投資方法は時価総額加重平均となりますので、FANG+のように全て10%で均等投資するものと違って、リスクは多少限定されます。

ETFは、積立て投資に手間がかかるので投資信託がいいという人もいると思いますが、このETFの投資信託が2024年3月13日より「一歩先いく US テック・トップ 20インデックス」というファンドとして大和アセットマネージメントより運用開始される発表がありましたので、FANG+を検討している人はこちらも併せてチェックしてみてください。信託報酬は、0.495%でNISAの成長投資枠でも購入可能です。

ここでは、少しハイリスクでハイリターンが狙える商品をご紹介させていただきましたが、ご自身のリスク許容度をよく考えたうえで、投資判断をしてみてください。