投資信託とETFの違いは?投資ファンド選びのメリット・デメリットについて

投資をはじめて、いろいろと銘柄を探していると出てくるのが、投資信託とETF。
ここでは、それぞれの違いとどちらを選ぶべきかを解説していきます。

投資信託は、今までご説明してきたようにいろいろな株式の詰め合わせパックです。そしてETFに関してもその中身は投資信託とほぼ同様です。両者の違いは、上場しているかどうかということになります。ETFは、Exchange Traded Fundsの略で、上場投資信託といわれるものになります。上場している株というのは、市場が開いていれば、その時の金額で取引ができるというものです。それとは反対に投資信託の株価は、1日1回決まりますので、価格が急激に上がったり、下がったりしたからといってそのタイミングで株を売買することはできません。
また、約定代金も投資信託では、定額購入ができるのに対して、ETFはその買いたい時の市場の価格で取引するため、一定額での取引ができません。
それぞれのメリット・デメリットは次の通り

【投資信託】
・毎月積立ての際、自分が決めた定額設定での投資が可能。
・運用で出た分配金は、ファンドの中で自動で再投資してくれる。
・約定金額は1日1回更新されるが、購入から約定まで2~3日かかるため
 購入希望金額で約定できない。(指値注文はできない)
・手数料はETFよりは高め。

【ETF】
・市場が開いている好きなタイミングで取引(約定)可能。
・毎月の積立て投資の際は、定額設定ができない。(金額が動いているため)
・運用で出た分配金を配当金として支払われる(利益が確定されるため利益分の税金が差し引かれる)
・もらった配当金を再投資したい場合は、自分で再投資しなければいけない。
・手数料が低い。

上記の内容をもう少し細かく説明すると
購入金額や手数料も大事なのですが、この両者を選ぶ時に気を付けておきたい違いとすれば、運用で得た分配金の再投資方法が大きく異なるということ。上述の通り、投資信託は自動再投資するのに対して、ETFでは利益から分配金を配当金として口座に払い出すため、一度利益を確定させていることになります。つまり利益分の税金が引かれてしまうということです。

具体的には、100万円の株に利益が出て、110万円になったとします!
10万円を分配金として払い出された後、再投資するとすると利益の10万円から約20%の税金が引かれますので、108万円で運用を継続することになります。
投資信託の場合は、この利益10%はファンド内で自動に再投資されるため、ETFで差し引かれた2万円は引かれずに110万円で運用を続けることになるのです。

つまり、投資しているファンドの利益を分配せずに再投資して運用していくなら、投資信託の方が元本が大きい分、複利の力が強く働くということになります。

例えば、若い世代でこれから長期間で株式運用をすると考えるとETFに投資をして、途中で利益確定をされて運用するよりかは投資信託で運用していく方が効率よく資産を増やしていけることになります。

逆にシニア世代になってくると積み立てていた株式から生活に必要な資金を取り崩していくフェーズに入ってきます。今までずっと投資運用している人は、投資で溜めた資産をいざ取り崩す段階になると資産の枯渇を恐れて、なかなか切り崩していけないものです。そんな時に定期的な取り崩しをする方法として、今度はETFの分配金を利用する手があります。ETFから出た分配金を再投資せずに配当金として生活費の一部に充てるということで積み立ててきた資産は運用したまま、必要な生活費は配当金として受け取ることができます。なにも考えずに投資先から配当金をもらい、ETFはそのまま運用を続けていけるので、資産の減少スピードも遅くなり、資産の枯渇といった不安からも解放されます。

従って、投資信託とETFのどちらを選ぶかは、皆さんの投資に対するスタンスによって異なってきます。必ずしも若い人は投資信託、退職に近い人がETFというわけではありません。
若い人でも月々の配当金をもらいたい人はいるでしょうし、シニア層の方でも資産をもっと増やしたい人はいると思いますので、一つの参考としていただければと思い、解説させていただきました。

資産の取り崩しに関しましては、NISAの出口戦略のページで詳しく解説しますので、併せてご参考にしてください。